こんにちは。ARK trade informationです。
本日は21年2Q決算後に暴落した zoom について、
ARKの見解を見ていきたいと思います。
※個別株の推奨ではありません。
■ 決算内容と株価の動き

参照:https://investors.zoom.us/events/event-details/zoom-second-quarter-fiscal-year-2022-earnings-webinar
【決算まとめ】
2Q:
・売上:$1.021B/YoY+54%(予想$990.96M)
・EPS:$1.36/YoY+48%(予想$1.16)
ガイダンス:
・売上:$1.015~1.02B(予想$1.01B)
・EPS:$1.07~1.08(予想$1.09)
【株価の動き】

・株価は決算発表後17%下落し、昨年10月の高値の半分近くにまで下落。
・一方ARKは5,650万ドルの株式を追加購入。
ARKのZoom株式保有数は2,988,544株(9/3時点)。取得単価が$380付近(著者の主観です)とすると、zoom株におけるARKの含み損は
2,988,544株 × ($300-$380)= $239,083,520 になります。
■ ARKがzoom株を購入する理由
ARKは多額の含み損を抱えながら、zoom株をナンピンし続けていますが、その理由について上記動画から推察できます。
(以下、和訳)
– 多くの人が「(コロナ禍から)通常の生活に戻るため、zoomは成長率を落とさなければならない」と思っています。
– しかしZoomは、1兆5,000億ドル規模の通信インフラの多くを変革すると思いますが、人々はそれを理解していないようです。
– ARKはこれに大きな期待を寄せています。実際世間はこの考えに否定的ですが、そんなことはありません。むしろ過小評価されているのではないでしょうか。
zoomが将来通信インフラ業界で圧倒的なシェアを取ると確信しているからこそ、ARKはzoom株を購入し続けているのかもしれません。
※本内容は過去noteからの抜粋です
■ ARKが描くzoomの将来性
「1兆5,000億ドル規模の通信インフラの多くを変革する」とは具体的にどのような内容なのでしょうか。
ARKは少なくとも2つの具体的な事例を述べています。
(1)PBX システムの変革
直近収録された、Yahoo finance のインタビューを参照しています。
– 私たちはZoom phoneがPBXシステムを引き継ぐことになると考えています。言い換えれば、Zoom Phoneは1兆5,000億ドル規模の中で多くのシェアを占めるようになると考えています。
– 私はzoomが通信機器分野に翼を広げようとしていると考えています。先ほど申し上げたように、通信機器は1兆5,000億ドルの技術スタックの中で最も大きな部分を占めています。今彼らは非常に劇的に前進しています。
PBXシステム:
外線を内線につなぐ機能と、各電話機を外線につなぐ機能がある
https://boxil.jp/mag/a2545/zoom phone:
zoom アプリから、通常の電話機と同じように、固定電話との発着信が可能。また場所やデバイスを選ばず通話も可能
(2)コールセンターの業務改革
過去のnoteを参照しています。
– zoomがクラウドコールセンターソフトウェアのFive9を買収。2020年9月時点で、コールセンターの10%しかクラウド化されていませんでした。
– しかしコロナ危機はこの動きを変革し、コールセンターのクラウドへの移行を促進しました。今後もこの流れは加速し、人工知能によるサポート業務の自動化が進むでしょう。
– 具体例の1つ目として、顧客とのコミュニケーション方法が音声からテキストに移行することです。テキストでは、リモートワーク環境下において接続性の問題が緩和され、音声よりも自然に自動化をサポートできます。更にミレニアル世代やZ世代は、音声よりもテキストを好みます。
– 2つ目はサポート業務の自動化で、人間の役割を排除します。Five9社のデータによると、企業はコールセンターに年間2,300億ドル以上費やしており、そのほとんどが人件費です。コールセンターにおける労働者の離職率は年間40〜60%であり、カスタマーサポート業務の自動化には強力な経済的インセンティブが働いていると言えます。
– TwilioやLivePersonのような先進的なソフトウェアプロバイダーは、自然言語モデルを用いて顧客の意図をモデル化し、会話することで人間を排除し、同時に顧客体験を向上させています。私たちが嫌う(例えば)「支払いをするには “Pay Bill “と言ってください」というようなモデルとは異なり、高度な自然言語モデルは驚くほど正確に顧客の意図をくみ取ります。
– 今後10年以内に完全にコールセンターがなくなることはないですが、テキスト化と自動化への移行により、人からソフトウェアへの移行が進み、サポートコストが大幅に削減され、顧客体験が大幅に向上すると考えています。
■ まとめ
– 21年2Qの決算では、成長率の鈍化を認めざるを得ない結果となりました。
– 一方でzoomは単なるビデオ通話だけの会社ではなく、通信インフラ業界を大きく変えるチャレンジャーである事も念頭に置く必要があります。
– ARKの様に、中長期的の視点でzoomの未来を期待しても良いかもしれません。