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〈EV-リチウム〉26年までにLFPが電池市場の47%を占める可能性


こんにちは。

本日はArkより、以下のタイトルでレポートが出ていましたので、和訳したいと思います。

「2026年までにリン酸鉄リチウムが電池市場の47%を占める可能性」

EV関連銘柄である”リチウム”についてみていきましょう。

Lithium Iron Phosphate Batteries Could Take 47% Of The Market By 2026 (ark-invest.com)

■レポート内容

・EVの急速な浸透に伴い、リチウムイオン電池の需要が増加。
・リチウムイオン電池は、負極と正極の2つの電極があり。EVでは、正極にニッケルマンガンコバルトリチウム(NMC)とリン酸鉄リチウム(LFP)を使用したものが主流となっている。

・過去5年間、ほとんどの電池専門家は、NMC電池がシェアを拡大すると予想していた。

・ARKの調査によると、コスト低下、ニッケル供給の制約、EV効率の向上で、LFPの市場シェアは21→26年で約33→47%に上昇すると予想。重要なことは、自動車メーカーが消費者の要求する走行距離を満たしながら、LFP電池にシフトしていく速度であろう。

・自動車メーカーは、LFPバッテリーにシフトすることで、1台あたり数千ドルのコスト削減が可能になる。

・LFP電池がシェアを伸ばす理由は、NMC電池より安価で、コストダウンが早いため。ライトの法則に基づくARKの調査によると、生産量が累積で2倍になるごとに、コストが28%程度低下する。

・両者の重要な相違点は
 1)LFP電池のコストはすでに70ドル/kWhで、NMC電池の100ドル/kWhより30%低い
 2)LFP系EVの累積生産量を2倍にするために必要な生産量は700万個で、NMC系EVの2000万個に比べ1/3の数量

・昨年のEV販売台数は480万台であり、全車両生産がLFP電池に移行した場合の累積倍増期間は1.4年。

・LFP電池のEVシェア拡大が遅れている背景には、エネルギー密度とコストのトレードオフがある。LFP電池を搭載したEVは、NMC電池を搭載した同じEVに比べて、コストが安い反面、航続距離が短くなる

・航続距離は、EVの購買行動において最も重要な要素の1つであり、故にEVメーカーはNMC電池を開発してきた。

・ニッケルとコバルトがNMC電池生産のボトルネックになっていること、EVの駆動効率が向上し、エネルギー密度の低いLFP電池でも消費者ニーズを満たせるようになったこと、この2つの理由からNMC電池はLFP電池にシェアを奪われつつある。

・またARKの調査では、航続距離の短いEVがシェアを伸ばし、エネルギー密度の高いNMC電池の必要性がより低くなることが予想される。

・LFP電池による数千ドルの節約は、EV価格の低下、研究開発費・利益の増加など、さまざまな形で還元される。LFP電池への移行は、リチウム自体が制約となる可能性があり、将来の材料のボトルネックを防ぐことはできないだろう。しかし、歴史が示すように、最終市場の需要を満たすための最低コストの方法を求めて、電池化学はさらに進化していくと考えられる。